研究データのネットワーク流通や学内外との循環利用を推進し、本学における研究DX化の基盤整備の一環として、「小規模分析室向けの測定データ集約・配信システム」を民間ITシステム構築ベンダーと共に構築し、学内導入を進めています。
この度、令和3年度の学内2つの分析室での導入に続いて、学内3つの分析室(接合科学研究所共通研究棟、歯学研究科F棟動物舎、基礎工学研究科C棟)に導入しました。
今後は、これを”標準化システム”を学内の小規模分析室に広く導入し、加えて全学データ集約基盤ONIONとの連携を通して、研究データのネットワーク流通や学内外との循環利用を推進し、本学における研究DX化の基盤として活用していく予定です。

本システムは、文部科学省 令和4年度「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」の一環として導入されました。

本システムの詳細

同システムは、専任のネットワーク管理者をおけない小規模分析室での運用を念頭し、最小限の管理で安定的に安全に運用できるように設計し、また、今後は類似の分析室に広く導入していくことを念頭にシステム設定や運用ルール等を標準化しています。加えて、本学サイバーメディアセンターの連携により、同センターが構築・運用している本学の全学データ集約基盤ONIONと自動的にデータ同期が行え、ONIONを通して学内外の研究者との研究データ共有が簡単に行えるようになっています。

背景

共通利用の分析機器を集めた”分析室”が部局ごとにあります。分析装置を制御するコンピューターは、Windows 7やWindows XPといったサポート期間が終了しているOSを使っていたり、セキュリティ確保の観点から、多くの場合、ネットワーク接続を行っていません。このめ、分析装置を使って得られた測定データの移送には、USBメモリやDVD-R/CD-Rを用いるなど、セキュリティ上の弱点となっているだけでなく、手間がかかり、装置の利用支援を行う技術職員の大きな負担となっていました。

一方で、ネットワーク経由でのデータ移送は、ファイルサーバーを構築・運用することで可能です。しかし、これらの分析室の多くは数名の少ない技術職員によって機器管理や利用支援が行われており、これらの少人数の機器担当者でファイルサーバーの構築・運用を行うことは困難です。

そのため、ネットワーク接続を利用しつつ、簡便な管理で研究データの移送や共通な環境整備を実現する当システムの検討を行いました。

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